優秀な人材を効率よく獲得できる!20時間労働制のメリット。


パートタイムやアルバイトなどの短時間労働者に対する法律の改正が行われ、20時間以上の勤務、月額賃金8.8万円以上であれば社会保険に加入という「106万円の壁」が2016年10月から施行されます。
働く側からは収入が減ってしまう、経営者側も人件費のコスト増や人員のシフトをどう組むかなど、不安の声もある一方、短時間でも正社員の保証を受けられるという新しい働き方の可能性もあり、様々な反応が出ているようです。
そんな中、女性のパートタイマーを週20時間労働の正社員として採用した会社が鹿児島にもあるということで、アフタープラス株式会社の坂本浩信社長に話を伺ってきました。

AfterPlus坂本2

-アフタープラスさんは女性の採用も熱心に行われていますね。

坂本:私は以前ソーラーパネル関係の営業会社で働いていました。
営業社員が55名ほどいたのですが、8:2の法則(パレートの法則)の通り、だいたい上位15名ほどが売上の8割を稼いでいるんですね。社員の中には女性が2名いましたが、この2名の女性は必ずこの15名の中に、常に入っていました。
別の会社にいた時も、飛び込みセールスでお客さんの心をつかむのが上手い女性営業がいました。そんな訳で社長になる前からコツコツまじめに仕事に取り組む人が、女性に多いのを知っていましたので、女性の力を事業に上手く取り入れたいと思っていました。
-20時間労働時間を知ったきっかけは何でしょうか。

坂本:去年北欧に行ったのですが、北欧は女性と男性の会社での地位がほぼ同じでしたね。女性は男性に比べて2〜3年出世が遅れるのですが、これは一人の出産・育児で休んだというその分だけなのです。1〜2年育児休暇をとったらみんな戻ってくる、そういう環境なのです。
一方弊社は今ソーラー発電の事業で正社員の募集をしているのですがなかなか集まらない。職安に出しても求人誌に出しても説明会をしても全然人が集まらない。
ところが、女性のパートタイムの求人は(募集の仕方次第ですが)優秀な方が集まります。4名くらいの採用枠に12〜3名集まります。理由は小さい子供がいるので長時間働けないが、パートタイムのような短時間なら働けるからなのです。
昔から短時間労働と言うのは知っていましたが、優秀な女性の人材を取り入れるのに最適だと思いました。

-20時間労働の正社員というのはどのような形態なのでしょうか。

坂本:1日8時間週5日の40時間がフルタイム、20時間制というのはその半分の時間ということですね。では、ほかは何が違うのというかと何も違いません。給料形態は同じ、ボーナスも出ます、有給も出ます、社会保険も入れる、そしてうちは退職金の積立をしているのですが、これも出来ます。

-ボーナスや退職金の積立が出来きるのは魅力的ですね。

坂本:通常ですと結婚して出産したら、一旦そこで退社する方が多い。出産育児で今までどおりフルタイムで働けません、ということになると退社せざるを得ないのですね。
一方、子供の手がかからなくなったら仕事の場に戻ってきたいという方も沢山いらっしゃる。ただパートタイムとして戻って来る事が出来ても、今までのキャリアも全部なくなる、退職金もゼロになる、有給も少なくなります。それだったら育児休暇後に、例えば子供が大きくなるまで20時間制で頑張ってもらう。毎日4時間働いてもらってもいいし、週2回フルタイムで働いてもらってもいい。
うちには販促の部署などがありますのでフルタイムでなくても大丈夫なところを手伝ってもらうのは可能なんです。そうすれば子供が大きくなった時にそのままのキャリアを引き継いで40時間に戻すことも可能です。そういう形で本年度から住宅事業部のパートの方を1人20時間制にしてみました。

-働きやすい環境があると、良い人材も集まりそうですね。

坂本:現在、住宅事業は県内を中心に展開していますが、将来的には九州各県に出て行くことを目指しています。そのためにはまず人材を集める事が不可欠です。真面目で一生懸命な人間を集める方法として、短時間でも働きたいと思っている女性の力を借りるのが手堅いのかなと思っています。
もともと本社が工業団地内にあるので、団地内に託児所があれば働ける女性が沢山いるのではないか昔から思っていました。職場の近くに託児所が有れば、父子家庭のお父さんも働けるでしょう。今、中学生の息子は小学校4年生位までは学童保育に預けていたので、そういう施設があると私も家内も、子供の事を心配せずに働けました。社員の働きやすい環境を整えたいという想いは、そういう経験から来ていますね。

■インタビューを終えて

パートタイムでは手取りが少なくなるという面に目が行ってしまいがちですが、正社員として採用することで、働く側にも様々なメリットがありそうですね。
現状として、特に育児休暇の部分については、職場の理解や環境が追いついておらず、職場に居続けることが出来ない方も多いようです。
一方、特に中小企業では優秀な人材をどう確保するかという課題も増えてきています。
アフタープラスさんの取り組みは、そんな働き手と経営者の課題を解決する一つのモデルケースになりそうだなとお話を伺いながら思いました。