コミュニケーションの土壌に肥料を施すのが社長の仕事。/株式会社パルコーポレーション


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株式会社パルコーポレーションは、ホテルや結婚式場のサービススタッフを派遣するバンケット業の会社です。
バンケットの現場で働くのは学生などのアルバイト生がほとんどで、2年、4年周期でどんどん入れ替わっていきます。
そんな中でスタッフ同士は、そして社長と現場はどうやってコミュニケーションを取っているのか、代表取締役の上塘裕二さんに伺いました。

大事なことをスタッフが教えあう環境。

-「一生懸命さが伝わる接客」ということをおっしゃっていたのですが、そういった接客業の技術や心はどうやって教えているのでしょうか。

上塘:最初の頃は色々技術的な指導もしていたのですが、今自分が何かを教えているかと考えるとそうでもない気がします。
入ってきた学生に社員が簡単な指導をしますが、当然社員の数も限られているので、すべての現場に付いて行って指導をすることは出来ません。現場のリーダー格の学生が教える事になります。
会社の研修室兼ミーティングルームで、社員や学生同士雑談などをするんですが、そんな中で色々な事を教え合っていくんです。

例えば学生の子が実家に帰った際におみやげを買って来ます。頂いたらお礼を言うのが当たり前なのですが、これが出来ない子もいる。頂いた時に側に居るとお礼が出来るんですが、持ってきた子が現場に出ていてお菓子だけが事務所にあってそれを頂く。後日その子に会った時に「この間はありがとう」これが出来ない。
後礼(ごれい)というのは大切だというのを教えるんですが、私が一人ひとり教えるわけじゃない。
仕事に入る前の雑談の時などに「ほらこの間〇〇君にお菓子もらったらじゃない、お礼言わないといけないよ」というのが学生の間や社員と学生の間に出てくるんですね。
こういう小さな物の積み重ね、これが現場の中で生きているのかなと思います。

そしてその謙虚さが、素直さが、おもてなしの心へとつながっていくと思います。

-上の者が下の者に教える土壌が出来上がっているのですね。

上塘:そうですね、ただまだまだ肥えた土壌ではないと思っています。
今からその土壌に肥料をやっていかないといけない、その役割が私達の仕事じゃないかなと思っています。

若い人たちの話をしっかり聴くこと。

-具体的に「肥やしを施す」というのはどのようなことだと思いますか。

上塘:やっぱり話をすることではないですかね。私の家が隣なのですが夜に焼き肉をやったり、お好み焼きをやったり。そういう感じでコミュニケーションを取っています。

あと、夜に家のチャイムが鳴って開けてみると、仕事が終わった子が訪ねてきたりするんですね。会社ではなかなか言えない相談などを持っていたりするので、しっかり答えるようにしています。

-親子ほど離れている年の人が相談に来るのは凄いですね。何か年下の方と信頼関係を結ぶコツみたいなのはあるのでしょうか。

上塘:コツなんてあるんですかね(笑)。コツを考えてしたことはないんですよ。
みんな家の悩み、苦学生の悩み、個人的な人間関係の悩みが多いんです。
私、サービスは素人なので皿持ちなど教えられるほど上手じゃないんです。
なので悩みを持つ若い人たちのために、昔はお兄さん役、今はお父さん役という気持ちでやっています。

-今でもOBと交流があるのでしょうか。

上塘:私自身に対する仕事の採点基準がありまして、やめた後でどれだけ私に関わってくれるかが鍵なんですね。
それこそやめた後にひょいと突然招待状が届く、そんな感じで関わってもらえたらと思います。

『任せて任さず』で成長させる。

-こういった土壌から自然にチームワークが生まれてくるのでしょうか。

上塘:チームワークが生まれるためのアクションは今課題として考えているところです。
同友会などで色々勉強もしていますが、それを私の口から語るだけでは続かないのかなと。

上塘:メンバーからチームワークが強くなるためのヒントとして上がってくるのは『いかに手をかけて育てることが出来たかどうかでその後が変わる』ということです。
どういうことかというと、ヒヤリハットの法則の通り現場が多ければ色々事件事故が起こります。その時に関わり度合いによって、ヒヤリハットしたことが原因で辞める子辞めない子の割合が違ってきている。
ヒヤリとした300をいかに集めて次に進めるかというのも大事で、今ヒヤリをピックする作業も進めているところです。
難しいのは、技術的な事は集めて対策を作ることが出来るけれど、我々の仕事はそういうものだけではないということ。トレイをこう持ったら滑ってしまったとか、会場こういう場所で足を引っ掛けてしまった、と言うのは対策できますが、人間関係的なものはこういうものが出来ない。
私たちは特に人と人の職場ですから人間関係の問題というのは出てきます。やはり話し合いをしていくしか無いですね。

-先ほど社員が全員現場につく事は出来ないということでしたが、実際どれくらい現場の方に任せているのでしょうか。

上塘:基本は現場と担当の社員に任せています。私が直で行わないといけない事は連絡をもらうようにしています。
通常の報告事項などは項目別に分けてサイボウズなどで共有しています。各ホテルの問題点なども出てくるので、ホテルごと(職種ごと)の項目で分けて共有しています。

-現場のお客さんは会場に来ている方ですけど、会社のお客様はホテルや会場になる訳で、その辺りも難しそうですね。

上塘:現場のスタッフはやはり来館しているお客様と接しますから、基本お客様の要望に答えます。私と担当社員はやはりホテルと現場スタッフに向かい合うという感じで捉えています。
ホテルの方から直接私の方に要望が来る場合もありますが、通常の問題は現場の方で解決してもらうようにしています。全てにはタッチしていない。

-基本的に現場で解決できる問題は現場のメンバーに任せているということですね。

上塘:そうです。『任せる』ということでスタッフが成長するということもあるので。
ただ、学生などのスタッフが多いので、あらかじめ会場の担当の方とは綿密に話をして、大問題に発展しそうな場合などは、直接タッチしています。
「任せて任さず」というのが基本方針ですね。

企業名株式会社パルコーポレーション
創業平成10年11月6日
事業内容ホテル結婚式場などの人材派遣業務
所在地鹿児島市上之園町22−7興南ハイツ2F
電話099−255−4938
代表代表取締役 上塘裕二
従業員数
URLhttp://www5.synapse.ne.jp/pal/index.html