コミュニケーションしないことがコミュニケーションのコツ!?/勉強堂グループ


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毎回、様々な企業の方々に自社のコミュニケーション術を伺う『我が社の社内コミュニケーション方法』。
第一回目は鹿児島市内の学習塾「エイペックス」の堀切千明会長です。
塾生の親御さんからの紹介がないと入塾が出来ない『一見さんお断り』という珍しい学習塾で、現在入塾待ちの生徒も多数いるというエイペックス。
先生同士さぞ面白いコミュニケーション術をお持ちなのではと思っていたのですが、堀切会長の口から飛び出たのは「うちはコミュニケーションを取りません!」という言葉。
いったいどんな職場環境なのでしょうか。

コミュニケーションの目的を履き違えてはいけない

−先ほど先生同士コミュニケーションを取らないと聞きましたが、逆にその辺りにコミュニケーションの肝があると思うのですが。

堀切:まずうちは『報連相』をしません。報連相をしないでうまく行く方法が良いと思っていて、4年前から報連相を行っていません。必要な情報をサイボウズやEvernoteで共有するということだけ行っています。

−最低限のコミュニケーションなんですね。

堀切:そうですね。そもそもコミュニケーションは『情報や考え方を共有する』というのが目的なんですけど、コミュニケーションが目的になってしまってることが結構あるじゃないですか。コミュニケーション取ったから仲良くなったかな、みたいな。でも実際仲の良さなんてうちの仕事には要らない(笑)。大切なのは同じ事をみんなが知っているかどうかなんです。

−具体的にどういうことなんでしょう。

堀切:例えば、修学旅行のおみやげを持ってきてくれた生徒がいたとしますね。それを聞いていない他の先生が「おみやげ買ってきてくれたんだってね、ありがとうね」と言える、これがコミュニケーションだろうと。そういう環境が僕は作りたいんですね。
先生同士のコミュニケーションよりもお客様に対するコミュニケーションを最大限でしたい、その方法が情報共有であると。情報を共有するのが目的であって、それ以外のコミュニケーションは必要ないというのがうちの考えですね。

先生がするべき仕事に集中してもらう

堀切:そういうわけで4年間は報連相も行っていませんし、飲み会や社内運動会、そういうものもやっていません。

−じゃあ皆さんで食事をしたりとかも無いんですね。

堀切:年に一度社員研修は全員で行いますが、それ以外は全員で食事を行ったりというのもありません。保護者会とかの後で上のものがアルバイト生を食事に連れていったり、ということはしていますが、これも強制ではないので参加しない人ももちろんいます。
みんな忙しいので、あまり必要でないことに時間を割いてもらいたくないというのがあるんです。

−なるほど!

堀切:塾って動員のために先生が動いている所が結構あるんですね。色々なところに電話を入れて入りませんかと言ったり、チラシ作ったり織り込んだり。でもそれって先生の仕事じゃないんですよね。
先生の仕事は生徒に集中してもらうことなので、それ以外の不要な仕事は一切してもらわない、ということで「一見さんお断り」の塾が始まりました。同じ理由で生徒面談とかも一切やっていない。保護者の面談も保護者の方から言ってこない限りやらない。

多分社員の人って色々面倒くさいんです。上の人から色々これをいつまでに提出して、とかそういうの面倒臭いじゃないですか。「面倒くさいな、今この仕事してて時間ないのに」ってきっと思ってる。だからうちはそういうのを提出させないスタイルにしたんです。

人に依存しない仕組みづくりを

−サイボウズを使う前はどうやって情報共有していたんでしょうか。

堀切:少し前までは3人だったからみんな大体顔を合わせることができたんです。でもどんどん生徒が増えてきて、先生もアルバイト含めて今30人くらいいる。増えてから情報共有の必要性を感じました。

−うちでもサイボウズ使っているんですが、見るのが億劫で。

堀切:サイボウズの情報を全部メッセージで携帯に飛ばすようにしています。なんでもとにかく携帯に来るようにしているのでパソコンやアイパッドで見ています。「おみやげ買ってきてくれました」とか「誰々が今日欠席です」という細かいことまで全部携帯に届くのでいい加減ウザい!と思うこともありますが(笑)。

−みんな自主的にサイボウズにアップしてるんですね。

堀切:自主的に情報共有してるので、今週3日4日しか来られない人が出てきたりしても表面上は影響が見られ無いんです。みんな仲が良くてコミュニケーションをしていると、人が来られなくなったりコミュニケーションが無くなった時に、寂しくなったり仕事のやり方に影響が出てきてしまう。でも、うちは必要以上にコミュニケーションに依存していないので、何事も無く回るんです。

−人に依存しない仕組みづくり。

堀切:誰かが変わっても動いていくような仕組みにしておかないと。特に塾は先生次第というイメージが有るじゃないですか。でもそれだと良い先生がいなくなってしまうとその塾は潰れてしまうんですね。それでは企業としてやっていけない。そのための情報共有の仕組みづくりが必要だと思っています。

取材を終えて

最初はうちはコミュニケーションを取らないよ!と聞いてびっくりしました。
しかし話を聞いてみると、コミュニケーションの向かう方向が社内ではなく顧客である生徒や保護者の方であるということ、そこに集中出来るように社内の余分なコミュニケーションを削ぎ落したということがよく分かりました。
言われてみれば確かに、仲良くなることと情報共有を混同してしまっていることはありがちですね。
自社で行っているコミュニケーションが本来の目的とマッチしているかチェックする必要はありそうです。

企業名有限会社エイペックス
創業2002年2月4日
事業内容学習塾
所在地鹿児島市武1丁目17-24 吉嶺ビル2階
電話099-812-5870
代表代表取締役 貴島 博幸
従業員数30
URLhttp://www.2002apex.com